知財高判(大合議)平成30年(ネ)10063【二酸化炭素含有粘性組成物】

 

*特許権侵害:共同不法行為

 

製造業者が小売業者に製品を販売し,これを小売業者が消費者に販売するという取引形態は…共同不法行為責任を認めるに足りるだけの十分な関連共同性があるとはいえない。

 

 

(判旨抜粋)

…共同不法行為が成立するためには,各侵害者に共謀関係があるなど主観的な関連共同性が認められる場合や,各侵害者の行為に客観的に密接な関連共同性が認められる場合など,各侵害者に,他の侵害者による行為によって生じた損害についても負担させることを是認させるような特定の関連性があることを要すると解すべきである。そして,例えば,製造業者が小売業者に製品を販売し,これを小売業者が消費者に販売するという取引形態は,極めて一般的なものであり,製造業者と小売業者双方が,このような取引形態を取っていることを認識し容認しているとしても,これだけでは共同不法行為責任を認めるに足りるだけの十分な関連共同性があるとはいえない。

 

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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