東京高判平成14年(ネ)2457【生コンスラッジの再使用方法】<山下>

「被告方法中に,たまたま…20.2重量%以下であり調整行為が必要でない場合が含まれている点において本件発明と一致する点があるとしても,…『調整』がなされている,とすることができない…。」
⇒非充足

【請求項1】…生コンスラッジの固形分濃度を20.2重量%以下に調整…することを特徴とする生コンスラッジの再使用方法

(判旨抜粋)
…「調整」とは,一般に「調子をととのえ,過不足をなくし,程よくすること」(広辞苑第4版),「①調子をととのえること。②ある基準にあわせてととのえること。過不足をなくすこと。③つり合いのとれた状態にすること。」(大辞林)を意味する語である。上記「調整」の語の一般的な意味(特に,ある基準にあわせてととのえること,という意味)に照らすと,構成要件Cのうち「生コンスラッジの固形分濃度を20.2重量%以下に調整し,」とは,反対に解すべき特別の事情が認められない限り,基準である固形分濃度20.2重量%以下になるようととのえること,具体的には,固形分濃度を測定し,これが20.2重量%を超えた場合には,20.2重量%以下になるように操作をすることを意味する,と解釈するのが相当である…。被告方法中に,たまたま測定した固形分濃度が20.2重量%以下であり調整行為が必要でない場合が含まれている点において本件発明と一致する点があるとしても,そのことをとらえて被告方法においては「調整」がなされている,とすることができない

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/781/010781_hanrei.pdf

 

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執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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