令和3年(行ケ)10059【電子レンジ加熱食品用容器】<東海林>

*適切に水蒸気を逃がすために孔の大きさと個数を定めることは設計的事項

「容器内の食品から発生し得る水蒸気の量を勘案し,適切に水蒸気を逃がすために,小孔の直径及び個数…開口面積合計を定める…設計的事項」

【請求項1】…前記排気細孔の直径は0.15ないし0.59mmであり,前記排気細孔の個数は8ないし1000個であり,かつ前記排気孔群における前記排気細孔の開口面積の合計は0.25ないし100m㎡である…電子レンジ加熱食品用容器

(判旨抜粋)
引用発明の小孔は,「容器内の加熱状態の空気や水蒸気の排出を確実に行なうことのできる,適宜な大きさの0.5~1mm径前後で適宜な個数」形成されるものである。この「適宜」な大きさ及び個数について,甲2には具体的な開示がないが,容器内の内容物から発生する水蒸気の量が変われば,適切に水蒸気を逃がすために,水蒸気を逃がす孔の大きさ(径)と個数もそれに合わせて変える必要があることは,当業者にとって明らかである…。そうすると,引用発明に接した当業者にとって,容器内の食品から発生し得る水蒸気の量を勘案し,適切に水蒸気を逃がすために,小孔の直径及び個数並びにこれらから簡単に算出される開口面積合計を定めることは,設計的事項にすぎない。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/730/090730_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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