東京地判平成31(ワ)2675【吹矢の矢】<損害論>102条2項の推定覆滅~65%覆滅

<推定覆滅事由>
被告製品は,そのほとんどが吹矢協会と関係がある需要者により、吹矢協会の公認用具であることを理由として購入された割合が相当に高い。
⇒原告の吹矢用具は吹矢協会の公認用具でなかったから、被告製品の需要の全てが原告の製造販売する吹矢の矢に向かうとは認められない。

(判旨抜粋)
被告製品は,そのほとんどが吹矢協会と関係がある需要者により購入されたと認めることが相当である。そして,被告製品は,吹矢協会の関係者において吹矢協会の公認用具であることを理由として購入された割合が相当に高いと認められる。原告の製造販売する吹矢用具は令和2年12月1日以降は吹矢協会の公認用具でなかったから上記の理由で購入された被告製品の需要の全てが原告の製造販売する吹矢の矢に向かうとは認められない。他方,原告の製造する吹矢の矢については,吹矢協会の公認がなくとも購入するとする者もいたことがうかがわれ,被告製品の需要が全く原告の製造販売する吹矢用具に向かわないとはいえない。
被告は,原告の吹矢用具が吹矢協会の公認用具でないことを理由として令和2年12月1日以降の被告の売上げについての推定覆滅を主張するところ,上記事情に照らせば,同日以降の利益については,65%の割合で損害額の推定が覆滅すると認めるのが相当である。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/335/090335_hanrei.pdf

 

 

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執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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