東京地判平成30年(ワ)1233【コンクリート造基礎の支持構造】<國分>  ※損害論

 

大成建設v.大林組(特許権侵害成立)

 

限界利益がマイナスの工事現場⇒限界利益額をゼロと計算

 

発明の作用効果が顧客吸引力に与えた影響はある程度限定的

⇒102条2項による損害額の推定を一部覆滅

 

実施対象の工事現場毎に2項、3項で高い方の金額の和が、損害額として認定された。

 

 

(判旨抜粋)

被告構造物6については,構造物全体の限界利益額がマイナスとなり,上記の計算による完成工事高相当額は,完成工事原価を下回ることになるが,それをもって直ちにこれらの額が異常な金額ということはできないと判断し,その上で,場所打ちコンクリ ート杭に係る限界利益の額についてはゼロとした。…

本件実施に係る場所打ちコンクリート杭について,本件発明の作用効果が顧客吸引力に与えた影響はある程度限定的であったというべきであり,この点は,102条2項による損害額の推定を一部覆滅すべき事情として考慮すべきである。…

本件実施に係る各構造物ごとに,特許法102条2項及び3項によって算定した損害額のうち,より額が大きいものを原告の損害額として認定する…。

 

090349_hanrei.pdf (courts.go.jp)

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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