平成20年(ネ)10061【冷凍システム並びに凝縮用熱交換装置】<中野>

 

「特許権に関する訴え」は,特許権に関係する訴訟を広く含む…,特許権侵害を理由とする差止請求訴訟や損害賠償請求訴訟,職務発明の対価の支払を求める訴訟などに限られず,本件のように特許権の専用実施権や通常実施権の設定契約に関する訴訟をも含む。

⇒原判決(さいたま地裁H19(ワ)1020)は管轄違い

 

※判例タイムズの解説

⇒ 特許権の実施契約に基づく実施料支払請求訴訟、特許を受ける権利や特許権の帰属の確認訴訟、特許権の移転登録請求訴訟、専用実施権の設定の有無・帰属に関する訴訟のようなものも含まれると解されている。

 

(判旨抜粋)

ここにいう「特許権に関する訴え」は,特許権に関係する訴訟を広く含むものであって,特許権侵害を理由とする差止請求訴訟や損害賠償請求訴訟,職務発明の対価の支払を求める訴訟などに限られず,本件のように特許権の専用実施権や通常実施権の設定契約に関する訴訟をも含むと解するのが相当である。そうすると,一審原告は東京都に住所を有し一審被告らはいずれも埼玉県に住所を有する本件訴訟の第一審の土地管轄は,民訴法6条1項によれば,東京地方裁判所に専属するということになるから,原判決は管轄違いの判決であって,取消しを免れない。

 

 

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/256/037256_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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