大阪地判令和2年(ワ)7486【高圧水の弓門内噴射による魚体内の血液の瞬間除去装置および方法】<杉浦>

共同発明者性肯定⇒持分移転請求認容

特徴①~被告製作品に接したことが契機だが、原告の着想及び具体化に基づく

特徴②~被告の考えを採用も、原告も創作的に寄与した

(判旨抜粋)
本件各発明は、どのような大きさの魚であっても、瞬時にして簡潔確実に血抜きができる魚の生き締めの装置及びその方法を内容とするものであり、①魚の尾部の血液弓門から動脈又は静脈を含む血管内に圧力を掛けた高圧液体を噴射して魚の血抜きをすること(以下「特徴的部分①」という。)、②あらゆる大きさの魚に対応するための血液弓門の密着封止構造を実現すると共に、ノズル先端部の破損を抑制するため、ノズルの先端部分の形状をテーパ状にすること(以下「特徴的部分②」という。)を特徴とする魚の血抜き装置及びその方法であると認められる。…
本件各発明の特徴的部分①は、被告が製作した足踏み式試作品に接したことを契機とするものの、長年の水産会社勤務、とりわけ魚の生き締めに関する実地での経験等を背景とした原告の着想及び具体化に基づくものといってよい。したがって、本件各発明の特徴的部分①の完成については、被告のみならず原告も創作的に寄与したものというべきである。…
特徴的部分②につき、最終的には被告の考えに基づき発明として完成したものの、課題を解決するための着想及びその具体化の過程においては、被告のみならず原告も創作的に寄与したものというべきである。…

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/980/090980_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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