令和3年(ネ)10040【学習用具】<菅野> 均等成立 第2要件

=大阪地裁平成31年(ワ)3273

 

「均等の第2要件における『作用効果』は,基本的には,明細書の『発明の効果』の項の記載に基づいて確定される」

 

⇒「本件発明の効果を奏した上で付加的な効果」は第2要件充足を否定しない!!

 

=ボールスプラインの調査官解説<三村>

 

(判旨抜粋)

…均等の第2要件における「作用効果」は,特許発明の出願時における従来技術と特許発明との対比により確定されるものであって,基本的には,明細書の「発明の効果」の項の記載に基づいて確定されるべきものであるところ,本件明細書の「発明の効果」の欄には,「楽しみを感じながら知らず知らずに特定の国家や自治体,行政単位に関連する地域の地図上の形状,又は該地域を象徴する国旗,シンボルマーク等の模様,等の記憶対象が憶えられる。」(【0059】)と明記されており,原告製品を使用したコンピューターにおいても,イラスト画,形状・イラスト画,都道府県形状画が,これに対応する語句の音声データと同期して再生されることで,都道府県の形状を覚えることができるのであって,本件発明の効果を奏するものということができ,組画を地方単位でしか選択できない(都道府県単位で選択できない)からといって,上記効果を奏しないとはいえない。また,原告製品を使用したコンピューターにおいて,イラスト画,形状・イラスト画,都道府県形状画以外に都道府県位置画が存在することは,既に説示したとおり,本件発明の効果を奏した上で付加的な効果を生じさせるものにすぎず,均等の第2要件を充足しないという根拠となるものではない。

 

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/634/090634_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)