令和2年(行ケ)10123【燃料電池システム】<本多>

 

*故障を検知する引用発明を、定期的に確認する構成に変更することは容易でない

⇒進歩性〇(拒絶審決取消)

 

(相違点)

気体流動を調整する「所定条件」が、

 

本願発明~「定期的に」

 

引用発明~「出力電圧が約0.4V以下」

 

 

(判旨抜粋)

燃料電池の故障を示すものとみ得る状態を具体的に検知したとの引用発明に係る「燃料電池の出力電圧が0.4Vより低くなる場合」の動作について,実際の出力が閾値以上に変化しているか否かにかかわらず,これを「定期的に」行うことを想到することが,当業者において容易であるとはいい難い…。…甲3…には…「約0.4Vより低い範囲に低下する場合」以外の記載があるが,そこで挙げられている他の特性パラメータも,燃料電池の故障を示すものとみ得る状態の検知の範疇に止まるものである。燃料電池の保湿レベルを周期的に増加させることに係る周知の事項…を参照しても,上記判断は左右されない。

 

090621_hanrei.pdf (courts.go.jp)

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)