令和2年(行ケ)10089【…チャイルド…シート】<鶴岡>

*クレーム文言が、明細書/図面において通常と異なる意味で定義/説明されていない限り、通常の意味で解釈される。
⇒「…別異の, それらに更に追加される構造要素」とした本件審決のクレーム文言解釈は誤り。
⇒進歩性×

(判旨抜粋)
発明の要旨認定は,特許請求の範囲の記載に基づいて行うべきであり,発明が属する技術分野における優先日前の技術常識を考慮した通常の意味内容により特許請求の範囲の記載を解釈するのが相当である。もっとも,特許請求の範囲の記載の意味内容が,明細書又は図面において,通常の意味内容とは異なるものとして定義又は説明されていれば,通常の意味内容とは異なるものとして解される余地はあるものの,そのような定義又は説明がない場合には,上記のとおり解釈するのが相当である。
…本件発明では,支持部材が,シートシェルの内側のみにあるとか,シートシェルの側面や背面を覆っていないという特定はないし,支持部材がシートシェルと別の骨格構造体を備えるとの特定はなく,また,本件明細書の段落【0031】にもそのような記載はない。…従来技術(技術常識)における「シートシェル」及び「子供を支える柔軟性のある素材」とは別異の, それらに更に追加される構造要素と…の本件審決の解釈を採用すべき根拠を見出すことはできない…。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/833/090833_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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