平成28年(行ケ)10152【電荷制御剤】<森>

*発明の課題
⇒「電荷制御剤の表層の無機塩量のみに起因する電気伝導度を測定できるよう,可能な限り電気伝導度の小さいものを意味する」
⇒「イオン交換水」の明確性〇

【請求項1】…金属錯塩化合物をイオン交換水に1重量%分散させたときの電気伝導度が110μS/cm以下である…電荷制御剤。

(判旨抜粋)
本件発明は,電荷制御剤の表層に存在する無機塩量と画像安定性との関係に着目し,金属錯塩化合物をイオン交換水に1重量%分散させたときの電気伝導度を測定することにより,電荷制御剤の表層の無機塩量を測定し,この電気伝導度を一定範囲に制御することで,優れた画像安定性の得られる電荷制御剤を提供するものであるから,本件発明の「イオン交換水」は,できるだけ電荷制御剤の表層の無機塩量のみに起因する電気伝導度を測定できるよう,可能な限り電気伝導度の小さいものを意味していることは,当業者に明らかである…。
…異なる分散条件を採用した測定試料1と2の間での電気伝導度の差は,1μS/cmにすぎないから,この実験結果は,分散方法が異なる場合であっても,測定される電気伝導度の値に格段の差が生じ得ないことを示すものであるということができる。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/017/087017_hanrei.pdf

 

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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