大阪地裁平成28年(ワ)第4815号「油冷式スクリュ圧縮機」事件<杉浦裁判長>
*9割覆滅されたが、13億円認容!!
*特許権存続期間中に譲渡の申出⇒損害との因果関係あり!!…
<※この論点は、初めての裁判例ではないか?>
⇒「実施」概念の検討を通してみる「譲渡の申出」概念の意義(学習院大学、横山久芳教授の論文、2013年)が参考になる。
(判旨抜粋)
被告は,被告が販売したNewTonシステムのうち,本件特許権の存続期間中に受注し,存続期間満了後に製造を終えて納入したものについては,本件特許権の存続期間中に,存続期間満了後に行われた適法な譲渡についての申出が行われたにすぎないから,本件特許権侵害行為による損害賠償の算定の基礎にすべきではないと主張する。 しかし,
被告は,本件特許権の存続期間中に「譲渡の申出」を行った上で受注しており,この時点で顧客との間の請負契約が成立している以上,製造及び納入の完了が本件特許権の存続期間満了後であったとしても,これによる原告の損害は,なお本件特許権の存続期間中の侵害行為である「譲渡の申出」と相当因果関係にある損害というべきである。
そうすると,これに係る「譲渡」による販売分も,本件特許権侵害行為による損害賠償の算定の基礎にするのが相当である。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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