東京地判平成24年(ワ)第16103号「情報データ出力システム」事件<長谷川裁判長>
*文言解釈において、禁反言が判示された。
(均等論でなく、文言非侵害の判決は珍しい。)
…
⇒無効審判における主張も包袋禁反言が生ずる
東地平成12年(ワ)8204「連続壁体の造成工法第 2 事件」
(判旨抜粋)
…原告らを含む出願人は,本件各特許権の出願経過において,…本件各発明が乙5発明とは異なるもので,かつ,当業者が乙5発明から本件各発明を容易に想到することができないものであることを裏付けるために,リーダーを用いて印刷した場合,文字フォントを統一することができず,クライアントがサーバと同一の文字フォント,サーバと同一の文字数(情報データの個数)で帳票を出力することができない場合があるのに対し,本件各発明の共用アプリケーションソフトウェアにはこのような制約がなく,規則正しく最適なレイアウトで出力することができる旨主張しているのであるから,本件各発明の共用アプリケーションソフトウェアはリーダーとは異なるアプリケーションソフトウェアを想定している旨の主張をしていることが明らかである。
そうすると,本件各特許の出願経過においてこのような主張をし,その登録を受けた原告らが,本件訴訟において,これを翻し,リーダーが本件各発明の共用アプリケーションソフトウェアに当たるとの主張をすることは,信義誠実の原則に反し,許されないというべきである。この点からも,原告らの主張は理由がない。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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