≪古いですが、有用です。≫
東京地裁平成12年(ワ)8204「連続壁体の造成工法」第2事件
<飯村>
無効審判の主張も包袋禁反言あり。…
+主張撤回してもダメ。
*平成23年(ネ)10002「切り餅」事件<飯村>と整合するか?
⇒区別するなら、
本件は、意見書
切り餅は、手続補正書
(判旨要約)
無効審判手続は、特許権の生成の手続とは異なる性質を有する面もあるが、手続過程において出願人等がした主張と矛盾する主張を侵害訴訟で行うことが許されないとする信義誠実の原則ないし出願経過禁反言の原則は、同様に妥当する…。
最終的に、審決等において採用されたか否かにより、左右されると解すべきではない…。…
被告が無効審判手続において、本件特許権の構成要件の解釈について述べた意見を撤回する旨の書面を提出した後においても、当裁判所が、右意見を述べたことをも参酌して、本件発明の構成要件を解釈することは許される
(判旨抜粋)
…訴訟の当事者が、訴訟において、無効審判手続中でされた主張と正に矛盾する趣旨の主張を意図的にすることは、特段の事情のない限り、訴訟における信義則の原則ないし禁反言の趣旨に照らして許されないというべきである。 無効審判手続は、特許権の生成の手続とは異なる性質を有する面もあるが、手続過程において出願人等がした主張と矛盾する主張を侵害訴訟で行うことが許されないとする信義誠実の原則ないし出願経過禁反言の原則は、同様に妥当するものと解して差し支えない。さらに、訴訟における信義則の原則等の適用に当たって、無効審判手続等でされた当事者の主張が、最終的に、審決等において採用されたか否かにより、左右されると解すべきではない…。…
無効審判手続における意見の撤回に関する右の経緯に照らすと、右撤回は、本件における構成要件Dに関する被告の主張が右一〇年(ワ)第二五七〇一号事件と同様の理由により排斥されることを免れるためにされたものと考えるのが自然であり、無効審判手続において当事者に認められた遂行権限を濫用したものということもできる(もっとも、撤回が無効審判手続上、効力を有するか否かについて、問題としているわけではない。)。そうとすると、被告が無効審判手続において、本件特許権の構成要件の解釈について述べた意見を撤回する旨の書面を提出した後においても、当裁判所が、右意見を述べたことをも参酌して、本件発明の構成要件を解釈することは許されると解すべきである。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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