★【クレーム文言解釈】別の明細書等の記載がクレーム文言解釈に影響した事例
①東京地判平成13年(ワ)27381 〔インサート器具事件〕
*特許権者の他の出願明細書 (本件特許出願後に出願した実用新案) を参酌して、限定解釈した事例
⇒後願が引用していた
Cf.同一出願人の後願明細書の記載を参酌しなかった例
・東京地判H14(ワ)9503
・東京地判H11(ワ)17601
②東京地判昭和54年(ワ)7844〔手動式移動置棚事件〕
*特許権者の他の出願明細書(同一出願人の別件考案の明細書中で本件考案の出願番号を引用した記載)を参酌して、限定解釈した事例
⇒別件が引用していた
=東京地判昭和57年(ワ)1396〔…光学レンズ事件〕
⇒先願を引用していた
③東京高裁平成7年(ネ)1768〔選別機〕
分割出願の原出願の出願経過中における特許権者の主張も、クレーム文言解釈に考慮される
⇒上告審、最判平成9年(オ)2141同旨
(判旨抜粋)
「原出願の経過、原出願に対する審決取消訴訟における控訴人の主張…を参酌すれば…「粗雑面」とは…と解釈すべきである」
④大阪地判昭和47年(ワ)第1526号〔チャック事件〕
*優先権主張の基礎となった外国出願中の出願経過中における特許権者の主張も、クレーム文言解釈に考慮される
(判旨抜粋)
「原告は、本件特許の優先権主張の基礎たるアメリカ国特許出願…に基づき西ドイツ国…特許出願…の審査過程において…と主張していた」
⑤東京地判平成12年(ワ)8204<飯村>〔連続壁体の造成工法(第2事件)〕
⇒無効審判の主張も包袋禁反言あり。+主張撤回しても無駄。
*平成23年(ネ)10002〔餅〕<飯村>と整合するか???
(判旨抜粋)
「意見を撤回…した後…も…右意見を述べたことをも参酌…することは許される」
http://tokkyo.hanrei.jp/hanrei/pt/3435.html
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)