長谷川寛ドイツ弁理士の講演録から

 

欧州特許実務②<クレームドラフト>

 

(1)多数の従属項を用意する

⇒補正・新文献で拒絶が繰り返されるという非効率を防止できる。

 

(2)マルチマルチクレーム

⇒欧州は,新規事項追加が厳しい。

⇒claim2 + claim3が新規事項追加と判断される場合もある。

⇒4月以降の日本出願も、明細書中にマルチマルチクレームライクな記載をしておくと、欧州での新規事項追加の懸念を減らせる。

 

(3)原則、1カテゴリーに独立クレーム1つ しか許されない。(例外も要研究!!)

⇒工夫例:A+(b1 or b2)、A+B

 

(4)外的有体物の引用を避ける

⇒外的有体物の引用は、無視される傾向

【高石】日本では、サブコンビネーションクレームとして発明特定事項になるのでは?と思われる。実務の違い。

 

(5)効果はクレームに書かない

⇒クレームアップされた効果が発明特定事項となりにくく、かえって、解消できない実施可能要件違反の懸念が生じる。

【高石】日本では、クレームアップされた効果が発明特定事項となることが多いので、実務の違い。

 

(6)独立クレームの特徴は最小限

⇒後から削除困難

⇒発明の課題と関係ない構成は外せる場合があるが、日本よりも厳格。

 

(7)数値範囲を上限と下限とに分けて記載しない(将来の補正のため)

「5~20wt%、好ましくは10~15wt%」

なら,

「10~20wt%」とも、

「5~15wt%」とも補正可能

but

「下限は5wt%、好ましくは10wt%。上限は20wt%、好ましくは15wt%」

だと同補正不可

 

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※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)