平成30年(行ケ)10134【液晶媒体】<森>

*「しきい値電圧を低減できること」が、本件明細書に記載なく、出願日当時の当業者の技術常識でもない。

⇒サポート要件の判断にあたって、この技術的知見を確認した追試結果を考慮不可。
(他の裁判例と同じ。実施可能要件も同じ。)

(判旨抜粋)
原告は…実験について主張する。しかし,…本件明細書には,n型の液晶化合物を用いたディスプレイにおいてK1を減少させることによって,しきい値電圧を低減できることは記載されておらず,また,上記実験結果が,本件特許の出願日当時,当事者の技術常識であったとも認められないから,上記実験結果を参照して,n型液晶化合物を用いたディスプレイにおいて,K1を減少させることによって,しきい値電圧を低減できることをサポート要件の判断に当たって考慮することはできない…。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/790/088790_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)