審判実務者研究会2021《事例8》P96
平成29年(行ケ)10006,10015【ランフラットタイヤ】<髙部> 明確性要件〇

算出方法により微小な差が生じても明確性要件〇

交点温度は,その引き方によっても1℃の差が生ずるにとどまる。…第三者の利益が不当に害されるほどに不明確なものとはいえない。

(判旨抜粋)
【請求項1】…外挿線Aと…外挿線Bとの交点の温度が170℃以上であり,…ランフラットタイヤ。

…外挿線Aと外挿線Bの交点温度として特定された170℃という温度は,補強用ゴム組成物の180℃から200℃までの動的貯蔵弾性率の変動に着目したことから導かれたものであって,かかる交点温度は,その引き方によっても1℃の差が生ずるにとどまる。そうすると,外挿線Aと外挿線Bの交点温度によって,ゴム組成物の構成を特定するという特許請求の範囲の記載は,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確なものとはいえない。

https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/kenkyukai/document/sinposei_kentoukai/2021_houkokusyo_honpen.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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