効果のクレームアップ(権利者有利)①

 

平成14年(行ケ)342【防汚塗料組成物事件】

 

「ゲル化せず長期保存が可能」というクレーム文言は構成要件であるから、選択発明の有無を判断すべきとして取り消した。

 

*引用例が本願発明の上位概念であり、選択発明の余地があった事案。

 

【請求項1】…亜酸化銅と化1:【化1】(省略)(式中,nは1又は2である。)で表される2-ピリジンチオール-1-オキシドの銅塩を有効成分として含有することを特徴とするゲル化せず長期保存が可能な防汚塗料組成物。

 

「亜酸化銅」と「【化1】…で表される2-ピリジンチオール-1-オキシドの銅塩」の上位概念に属する「ピリジンチオールオキシドの金属塩」を組み合わせることが示唆された防泥塗料が開示された引例に基づいて新規性なしとした特許取消決定を、「ゲル化せず長期保存が可能」というクレーム文言は構成要件であるから、選択発明の有無を判断すべきとして取り消した。

 

 

http://tokkyo.hanrei.jp/hanrei/pt/1740.html

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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