令和3年(行ケ)10056【情報処理装置事件】<東海林>
*サブコンビネーションクレームの相手方が、請求項に係る発明の構成を何も限定しない。
⇒発明特定事項でない!!
⇒サーバの処理を特定するだけの構成要件を除外して発明の要旨認定を行い、新規性欠如とした審決を維持した。
(判旨抜粋)
サブコンビネーション発明においては,特許請求の範囲の請求項中に記載された「他の装置」に関する事項が,形状,構造,構成要素,組成,作用,機能,性質,特性,行為又は動作,用途等(以下「構造,機能等」という。)の観点から当該請求項に係る発明の特定にどのような意味を有するかを把握して当該発明の要旨を認定する必要があるところ,「他の装置」に関する事項が当該「他の装置」のみを特定する事項であって,当該請求項に係る発明の構造,機能等を何ら特定してない場合は,「他の装置」に関する事項は,当該請求項に係る発明を特定するために意味を有しないことになるから,これを除外して当該請求項に係る発明の要旨を認定することが相当である…。…
構成要件(B)の「サーバによる第2情報及び第3情報の抽出の根拠となる情報を含む第1情報として」との記載事項は,第1情報の通知を受けたサーバが当該第1情報から第2情報及び第3情報を抽出するという,サーバにおける処理(構成要件(C1)及び(C2))を特定しているにすぎない。すなわち,上記記載事項は,第1情報自体が,第2情報及び第3情報を抽出するため通常の公報とは異なる格別の情報を含むことを特定しているものではない。このように,本件補正後発明の構成要件(B)のうち「サーバによる第2情報及び第3情報の抽出の根拠となる情報を含む第1情報として」の記載事項は,サーバの処理を特定したものであり,情報処理装置が備える公報通知手段の内容を特定するものではないから,構成要件(B)によって特定される発明特定事項の認定に当たっては,上記記載事項を除外するのが相当であり,本件審決が(B’)のとおり認定したことに誤りはない。
https://courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/915/090915_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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