令和2年(ネ)10057<大鷹>「リコー事件」
⇒独占禁止法違反が認められ、差止請求、損害賠償請求が権利濫用とした一審判決が変更された!!

「再生品が装着された原告プリンタにおいても,トナー残量表示に『?』と表示されるとともに,『印刷できます。』との表示がされるので,再生品であるため残量表示がされないことも容易に認識し得るものであり,ユーザーが印刷機能に支障があるとの不安を抱くものとは認められない…。残量表示がされない再生品と純正品との上記機能上の差異及び価格差を考慮して,再生品を選択するユーザーも存在する」

「電子部品の形状を工夫することで,本件各発明1ないし3の技術的範囲に属さない電子部品を製造し,これを原告電子部品と取り替えることで,本件各特許権侵害を回避し,残量表示をさせることは,技術的に可能」

<結論>
⇒「リサイクル品をもっぱら市場から排除する目的によるものと認めることはできない」

「控訴人が本件書換制限措置という合理性及び必要性のない行為により,被控訴人らが原告製品に搭載された原告電子部品を取り外し,被告電子部品に取り替えることを余儀なくさせ,上記消尽の成立を妨げたものと認めることはできない。以上の認定事実及びその5 他本件に現れた諸事情を総合考慮すれば,控訴人が,被控訴人らに対し,被告電子部品について本件各特許権に基づく差止請求権及び損害賠償請求権を行使することは,競争者に対する取引妨害として,独占禁止法(独占禁止法19条,2条9項6号,一般指定14項)に抵触するものということはできないし,また,特許法の目的である『産業の発達』を阻害し又は特許制度の趣旨を逸脱するものであるということはできないから,権利の濫用に当たるものと認めることはできない。」
https://www.ip.courts.go.jp/app/hanrei_jp/list?filter%5Bkeyword1%5D=&filter%5Bkeyword2%5D=&filter%5Bkeyword3%5D=&filter%5Bkeyword4%5D=&filter%5Bkeyword5%5D=&filter%5Bkeyword6%5D=&filter%5Bkeyword7%5D=&filter%5Bkeyword8%5D=&filter%5Bkeyword9%5D=&filter%5BjudgeGengoFrom%5D=&filter%5BjudgeYearFrom%5D=&filter%5BjudgeMonthFrom%5D=&filter%5BjudgeDayFrom%5D=&filter%5BjudgeGengoTo%5D=&filter%5BjudgeYearTo%5D=&filter%5BjudgeMonthTo%5D=&filter%5BjudgeDayTo%5D=&filter%5BjikenGengo%5D=%E4%BB%A4%E5%92%8C&filter%5BjikenYear%5D=2&filter%5BjikenCode%5D=%28%E3%83%8D%29&filter%5BjikenNumber%5D=10057&filter%5BgenshinCourtName%5D=&filter%5BgenshinCourtType%5D=&filter%5BgenshinBranchName%5D=&filter%5BgenshinJikenGengo%5D=&filter%5BgenshinJikenYear%5D=&filter%5BgenshinJikenCode%5D=&filter%5BgenshinJikenNumber%5D=&filter%5BjudgeResult%5D=&filter%5Bshinketsu%5D=&filter%5BappealResult%5D=&action_search=%E6%A4%9C%E7%B4%A2

https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/%E3%80%90%E7%89%B9%E8%A8%B1%E2%98%85%E2%98%85%E3%80%91%E7%89%B9%E8%A8%B1%E6%A8%A9%E4%BE%B5%E5%AE%B3%E8%A8%B4%E8%A8%9F%EF%BC%88%E7%8B%AC%E5%8D%A0%E7%A6%81%E6%AD%A2%E6%B3%95%E9%81%95%E5%8F%8D%E3%81%8C/

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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