(論文紹介)

「米国特許に係るプロセスにより製造された製品を米国へ輸入・米国内で販売等することによる当該米国特許権の侵害」(日本弁理士、米国NY州弁護士、矢作隆行)

 

米国 2019.12 CAFC  Syngenta v. Willowood

米国特許法第271 条(g)「米国特許にかかるプロセスにより製造された製品の米国内への輸入等を米国特許権侵害とする規程」については、「single entity requirement(クレームに記載されたすべてのステップが単一の者により実施されるか、または単一の者の責めに帰する形で実施される必要があること)」が適用されない。
米国外で複数の者が分担してプロセスを使用した製品についても、これを米国内に輸入すれば、米国特許法第271 条(g)により米国特許権侵害となる。
(※米国特許法第271 条(a)とは異なる。)

米国特許法第271 条(a)
本法に別段の定めがある場合を除き,特許の存続期間中に,権限を有することなく,特許発明を合衆国において生産し,使用し,販売の申出をし若しくは販売する者又は特許発明
を合衆国に輸入する者は,特許を侵害することになる。

米国特許法第271 条(g)
何人かが権限を有することなく,合衆国において特許された方法によって製造された製品を合衆国に輸入し又は合衆国において販売の申出をし,販売し若しくは使用した場合において,その製品に係る輸入,販売の申出,販売又は使用が当該方法特許の存続期間中に生じていたときは,当該人は,侵害者としての責めを負わなければならない。方法特許の侵害訴訟においては,製品についての非商業的使用又は小売販売を理由とする侵害救済は認められない。ただし,本法の下で,当該製品の輸入その他の実施,販売の申出又は販売を理由とする適切な救済がない場合は,この限りでない。本法の適用上,特許方法によって製造される製品は,次のことが生じた後は,特許方法によって製造されたものとはみなされない。
(1) 当該製品がその後の工程によって著しく変更されたこと,又は
(2) 当該製品が他の製品の些細であり,重要でない構成部品になっていること

米国特許に係るプロセスにより製造された製品を米国へ輸入・米国内で販売等することによる当該米国特許権の侵害 (jpaa.or.jp)

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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