訂正2017-390031(特許第4313531号)(特許権者:バクスアルタ)
いわゆる「除くクレーム」で新規性のみならず、進歩性も認められた訂正審決。
訂正事項
⇒請求項1における「抗体または抗体誘導体」を「抗体または抗体誘導体(ただし、抗体クローンAHIX – 5041:Haematologic Technologies社製、および抗体クローンHIX – 1:SIGMA – ALDRICH社製を除く)」と訂正する。
…
訂正後の請求項
⇒「【請求項1】 第IX因子または第IXa因子に対する抗体または抗体誘導体であって、凝血促進活性を増大させる、抗体または抗体誘導体(ただし、抗体クローンAHIX‐5041:Haematologic Technologies社製、および抗体クローンHIX‐1:SIGMA‐ALDRICH社製を除く)。」
訂正審決が進歩性を認めた理由
⇒除かれた2つの公然実施抗体に基づいて「凝血促進活性を増大させる」抗体を作成することは、当業者にとって容易想到ではなく、訂正後の請求項1に係る発明は進歩性を有するものである。
※参考~いわゆる「除くクレーム」で新規性のみならず、進歩性も認められた判決
「導電性材料(銀フレーク)の製造方法」事件
平成29年(行ケ)第10032号(一次判決)<高部>
平成30年(行ケ)第10071号(二次判決)<大鷹>
<今後の、特許出願・特許庁手続きに向けて>
化学・製薬分野では、いわゆる「除くクレーム」が活用されている。
⇒本件発明のように、発明の効果・機能をクレームアップしておくと、公然実施発明から当該クレームアップされた効果・機能は容易想到でないとして、新規性のみならず進歩性まで認められ得る。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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