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【米国特許★★★】(米国CAFC/en banc)特許権者がSingle-useの条件付きで譲渡したカートリッジを使用後に入手したリサイクル業者がインクを再充填する等して販売した行為に対する特許権の行使は、消尽論により妨げられないと判断された事例。

2016年02月23日

Lexmark Intern., Inc. v. Impression Products, Inc., App. No. 2014-1617, _ F.3d _ (Fed. Cir. February 12, 2016) (en banc).

(判決要旨)

原告・特許権者(Lexmark)が米国内外でカートリッジを販売していた。特に、米国内では、使用は1回限りという条件(single-use restrictions)で廉価販売していた。
被告(Impression)は、使用済みのカートリッジを入手して、カートリッジの使用を1回に制限するマイクロチップを交換した上で、トナーを再充填して販売した。

地裁判決は、消尽論により、使用は1回限りという条件(single-use restrictions)を主張することは認めないとして、米国内で販売されたカートリッジに対する特許権行使を認めなかったが、米国外で販売されたカートリッジに対する特許権行使は認めた。

このCAFC判決は、結論として、1992年のMallinckrodt事件以降、CAFCが一貫して採ってきた、bare saleでなく条件(restrictions)がついていれば、特許権の行使は消尽論により妨げられないという立場を維持して、米国内で販売されたカートリッジに対する特許権行使も認めた。また、2001年のJazz Photo事件CAFC判決が確立したとおり、消尽論は米国内で譲渡されたときのみであり、米国外の譲渡により米国特許権は消尽しないという立場を維持した。

このCAFC判決は、具体的には、以下の点を判示した。

(1)消尽論は、判例法でなく、特許法271(a)条に基づく理論である。⇒単なるmatter of judgeでなく、without authorityか否かという事実問題を含む。
“[U]nless another provision of the Act provides otherwise, whoever ‘without authority’ during the term of a patent commits certain acts- ‘makes, uses, offers to sell, or sells any patented invention, within the United States or imports into the United States any patented invention’ – ‘infringes the patent.’ 35 U.S.C. § 271(a).”

(2)消尽論は米国内で譲渡されたときのみである。(※米国外譲渡の場合は、特許権者が独占権の対価を得ていないから。)
⇒著作物の国外譲渡により米国著作権が消尽するというKirtsaeng連邦最高裁は、著作権法特有の理由を述べており、特許法には射程が及ばない。

(3)消尽論は、譲渡人が、特許権者、譲受人、独占的ライセンシー、非独占的ライセンシーで区別しない。

(4)CAFCが1992年のMallinckrodt事件以降認めてきたように、single-use条件が付いている場合は、契約や独占禁止法等の別の理由がある場合はともかく、特許法上は、特許権を行使可能である。
⇒Quanta連邦最高裁は、Mallinckrodt事件判決を覆すべき旨の訟務長官からの明示の要求を受け容れなかったから、いかなる”authorized sale”も条件如何にかかわらず特許権を消尽させるとは判示していない。

(コメント)

このCAFC判決は、Quanta連邦最高裁判決後、未決着の状態であった各論点についてen bancとして結論を示した点において有意義である。

(1)消尽論の根拠が、判例法理でなく、米国特許法271(a)条であるという判断は、CAFC判決としては初めてであると思われる。

(2)Quanta連邦最高裁判決(2008年)は譲渡が米国内であるか米国外であるかについて問題としていなかったところ、著作権の国外譲渡と消尽についてKirtsaeng連邦最高裁(2013年)が出されたため、米国外譲渡における米国特許権の消尽についても連邦地裁判決は分かれていた。著作権は、各国毎に権利が発生するといっても、特許権と異なり、各国ごとに権利獲得手続きを要するわけではないことが分水嶺になったとも考えられる。この点は、要考察である。

(3)譲渡人により消尽論が区別されないことは、Quanta連邦最高裁判決等に照らしても、特に違和感はない。

(4)Quanta事件は、譲渡契約と別にMaster Agreementが存在していた事案であり、連邦最高裁判決は、当該事案においては・・・・・・・・・”authorized sale”に起因して生じる特許権の消尽は回避できなかったと判断したという理解が多数であるが(反対意見もある)、条件如何に関わらず特許権が消尽するとまでは判示していなかったため、CAFCの立場と矛盾しないという理解も可能であった。

★近時、プロパテントのCAFC判決が、米国連邦最高裁で破棄される事案が散見されます。
⇒所有権留保や、実施行為の時間的制限,場所的制限,内容的制限等でなく、single-use 条項により消尽を否定できるという考え方は国際特許比較法的に異色なので、米国連邦最高裁で維持されるかが注目されます。(日本の裁判例については、下掲の参考文献をご参照ください。)

(参考文献)「間接侵害品の譲渡と特許権の『消尽』」(高石秀樹、パテント誌2015年7月号)に、上掲全ての米国判決を含む、多数の米国判決が紹介されています。

(参考HP)米国法律事務所の判決解説ページ

(判決の抜粋)

⇒省略(判決全文をご参照ください。)

(Keywords)米国、CAFC、消尽、single-use、条件、restriction、国内譲渡、国外譲渡、271(a)、LEXMARK、IMPRESSION、Quanta、著作権、Kirtsaeng、Mallinckrodt、Jazz Photo、所有権留保、時間的制限、場所的制限、内容的制限

◆判決本文

文責:弁護士・弁理士 高石 秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi@nakapat.gr.jp

 
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