令和4年(行ケ)10094【中敷き】<本多>
「引用発明について…技術常識等を踏まえ、前坪の位置を個人の足に合わせてより適切に調節するため、突起具を適切な位置に調節するとの技術思想に係る甲2技術を適用し…左右方向にも前坪取付孔を複数有する構成とすることは、容易…想到」
(判旨抜粋)
…甲2技術についても、足の指間等で突起具を支えることによって、足先と靴との摩擦が生じなくなるよう、靴及び足の寸法や形に合わせ、突起具を適切な位置に調節するとの技術思想が示されているといえる。
…足指等の形状、長さ、幅などに個人差があることは、公知の事実であって、趾股の位置について、前後方向だけでなく左右方向にも個人差があることは、技術常識(本件技術常識)であると認められる(甲3の1・2)。
さらに、靴を履いて歩行する際に、靴や足の寸法や形状、進行方向や路面の状況等により、靴の内部で、足が前後方向のみならず、左右方向にも一定の範囲で移動し得ること、その際、移動方向は、前後方向又は左右方向に明確に区別されるものではなく、斜め方向を含めて足が移動することも考え得るところである。
…以上によると、甲1に接した当業者において、引用発明について、前記…の技術常識等を踏まえ、前坪の位置を個人の足に合わせてより適切に調節するため、突起具を適切な位置に調節するとの技術思想に係る甲2技術を適用して、第1趾と第2趾の間の趾股内に位置する前坪14Aの取付け位置において、中敷き本体4Aの前後方向のみならず、左右方向にも前坪取付孔を複数有する構成とすることは、容易に想到し得たものというべきである。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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