【特許侵害訴訟】控訴審の逆転充足④【液体を微粒子に噴射するノズル事件】
平成30年(ネ)10016<大鷹>
⇒明細書に記載された数値範囲で発明の課題を解決したものではない。
⇒クレームアップされていない数値限定はない!
⇒充足
原審・大阪地判平成27年(ワ)12965
⇒明細書の数値に限定解釈される
⇒非充足
(判旨抜粋)
乙23の鑑定書…は,空気の直線流れの方向と平行に平板を設置した場合における流体力学の一般原理について述べるものであって,イ号製品においては,…供給されたノズルの軸方向(垂直方向)に直進する液体流が,空気口…から噴射する高速流動する空気流によって,空気流と合流する時点で,外側傾斜領域…に沿って平行に進むように進行方向が曲げられており…,傾斜面…に液体流を押し付ける力が作用しているものといえるから,イ号製品には妥当しない。…
請求項4…には,「微粒子」の粒子径を特定の数値範囲のものに限定する記載はない。次に,本件明細書…記載全体として読めば,「本発明」は,「平滑面を極めて速い速度で高速流動する空気流で,液体を薄く引き伸ばして微粒子にして噴射する」構成により,液体を微粒子として安定して噴霧でることを説明したものであって,「本発明」が「10μm以下」の粒子径の微粒子を噴射できることに格別の作用効果があることを述べたものではない。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/718/089718_hanrei.pdf
https://pbs.twimg.com/media/EvhF3T4U4AQSjSU?format=jpg&name=small
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)