令和元年(行ケ)10095「多結晶質シリコン断片及び多結晶質シリコンロッドの粉砕方法」事件(高部裁判長)
炭化タングステン粒子の「質量により秤量したメジアン粒径」の測定方法が不明
⇒明確性要件×
(判旨抜粋)…
本件明細書には,コバルト結合剤と焼結により一体化した「粉砕工具」の「工具表面」に「含有」される炭化タングステン粒子の「質量により秤量」したメジアン粒径について,定義や測定方法の記載はない。
⇒特許明細書中の発明の詳細な説明に、“パラメータ”・“数値”の測定方法を必ず記載すべきである。明確性要件違反の問題に加えて、特許侵害訴訟における充足論において、全ての合理的な測定方法で充足しなければならないとされる裁判例が多数あり(後掲)、この枠組みで充足性が判断された事案では、特許権者が全敗である。何れにしても、数値の測定方法を記載するデメリットは少ない。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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