東京地判平成26年(ワ)17797【草質材圧着物】<沖中>

*カサ比重を0.15~0.25以下の範囲に調整するとの数値限定がされる一方,明細書中に数値範囲を外れることを許容する記載なし

⇒安定的に上記範囲内においてされていることが必要

⇒数値範囲から外れるものが相当量あると、充足性×

【請求項1】…カサ比重0.15~0.25以下に調整したリグニンに富む草質材の粉砕物を…結着して圧着物とし,次いで圧着をほぐしてなる解着物。

(判旨抜粋)
…本草質材の粉砕物のカサ比重を0.15~0.25以下の範囲に調整するとの数値限定がされる一方,草質材の粉砕物の一部についてのカサ比重が上記範囲を外れることがあるといった記載は見当たらない。そうすると,被告製品が構成要件Bを充足するというためには,少なくとも被告製品における粉砕物のカサ比重の調整が,安定的に上記範囲内においてされていることが必要というべきであって,被告製品における粉砕物のカサ比重が安定せず,粉砕物のうち上記範囲を外れるものが相当量存在するという状況であれば,粉砕物のカサ比重を上記範囲に調整したということはできないから,構成要件Bを充足するとは認められない。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/655/085655_hanrei.pdf

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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