平成21年(行ケ)10153【切削工具インサート…の作成方法】<中野>
*引用例の図面に本願方法発明の開示がないとした事例
「引用文献…図3~図5…には幾何学的特徴を有する保持部材を提供し…この提供された保持部材を…切削体に接合するとの一連の工程が記載されてい…ない」
(判旨抜粋)
引用文献…図3~図5には,硬質金属に形成される凹所の様が図示されるとともに,これら凹所は所望の断面形状を選択できる旨が記載されている…。…旋盤用切削工具を形成する方法に関し引用文献には…切削体に溝,蟻継ぎ等を成す幾何学的特徴が形成される点,及び硬質金属をダイキャスト,プレス成形,成型,又は鋳造によって保持部材に密に固定する,との点は記載されている。しかし,硬質金属を鋳造等で保持部に固定するに先立って,保持部に溝,蟻継ぎ等をなす幾何学的特徴が形成されるとまで記載されているということはできない…。そうすると引用文献には幾何学的特徴を有する保持部材を提供し…この提供された保持部材をその幾何学的特徴を介して切削体に接合するとの一連の工程が記載されているということはできない。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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