大阪地判令和5年(ワ)7855【物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネルのマッピング方法】<松阿彌>
*標準必須特許(SEP)~権利濫用に当たる
⇒差止請求~請求棄却
1.被告の交渉態度
原告は2020年6月12日にライセンス交渉を申し入れ、G社(GOOGLE)は同年7月7日にFRAND条件でのライセンス意思を表明した。
NDA交渉に合計5か月、22件のクレームチャート検討に約8か月を要したが、NDAは営業秘密の開示に伴うものであり、多数の特許の検討期間としてもやむを得ないものであった。
G社は、原告の提案に対し、対案(G社第1案)やその後の修正案を提示するなどしており、2023年11月末時点において、交渉に誠実性を欠く点は認められない。
2 原告及びG社の提案
原告第1案(0.75%)について、G社はその根拠情報の古さ等に疑問を持ったが、原告はこれに十分に応答しなかった。
G社の対案は、累積ロイヤリティの上限(27%)を設定するなどのトップダウン方式等を参照しており、FRAND条件の検討において排除されない手法である。
スマートフォンの価格が通信以外の性能に大きく依存することを重視したG社の判断は、あながち責められるものではない。
⇒G社は基準時である令和5年11月末時点においても、ライセンス契約締結に向けて真摯に交渉を継続していたと認定し、不誠実なホールドアウトとは評価し得ないと判断した。
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-94591.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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