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令和5年(行ケ)10090【フルベストラント製剤】<中平>

2025年07月18日

令和5年(行ケ)10090【フルベストラント製剤】<中平>

*雑誌Cancerに特許発明と同一組成物を対象医薬用途に向けた試験が掲載されたが(組成物の提供者は特許権者)、その組成のままヒトに筋肉注射するという技術常識はなかった。
⇒進歩性〇

【相違点】訂正発明1は、「筋肉内注射によりヒトに投与するための医薬製剤であって、」「筋肉内注射に適する医薬製剤」であるのに対し、甲1発明は、「線維芽細胞成長因子(FGF)をトランスフェクトした乳癌細胞(MCF-7細胞)を注入された卵巣切除担癌マウスに対し皮下投与される、タモキシフェン抵抗性の乳癌の機序としてFGFオートクリン活性を検証するための試験用組成物である点

(判旨抜粋)
(ア) 技術常識Ⅰ(フルベストラントの筋肉内注射関係)について
フルベストラントを含有する医薬製剤は、本件優先日当時、臨床試験中であったのであって、いずれの国においてもいまだ承認されていなかったから…、フルベストラントが乳がん治療薬として確立していたとは認められない。したがって、技術常識Ⅰ(フルベストラントの筋肉内注射関係)が存在したとは認められない。
もっとも、本件優先日当時実施されていたフルベストラントに関する薬物動態の試験(PK試験)及び臨床試験の結果…によれば、本件優先日当時、フルベストラントが、乳がん治療薬として使用される可能性があるものとして治験中であり、治験においては筋肉内注射により投与されていることが技術常識であったという余地はある。しかし、このような技術常識があるとしても、甲1の文献において抗エストロゲン薬としてマウスに投与された組成物を、その組成のまま、直ちにヒトに対して筋肉内注射により投与する医薬製剤として用いることができると、当業者が容易に認識するとは認められない。

(イ) 技術常識Ⅱ(マウスへの皮下注射関係)について
原告が挙げる文献…には、マウス等の小さな実験動物種については、筋肉内注射が困難である旨の記載や、ヒトに投与する場合に筋肉内注射を行う薬剤についてマウス等の小さな実験動物種を用いた試験では皮下に投与された例の記載等があるものの、ラットに筋肉内注射をした旨の記載も存在しており…、上記文献の記載によっても、原告が主張する技術常識Ⅱ(マウスへの皮下注射関係)が本件優先日当時に存在したとまでは認められない。また、仮に、技術常識Ⅱ(マウスへの皮下注射関係)が存在するとしても、マウスを用いた実験において皮下注射した薬剤であれば、常にヒトに対しては筋肉内注射をするという技術常識があるということにはならない。さらに、「ヒトに投与するときに筋肉内注射する医薬製剤であっても、マウスを用いた実験においては皮下注射されることがある」という限度で技術常識が存在するとしても、マウスに皮下注射した薬剤の組成と同一の組成の薬剤をヒトに筋肉内注射することが技術常識であるとは認められず、まして、甲1発明でマウスに投与されたフルベストラントは、仮説検証のための実験において、エストロゲン活性を排除するための補助剤として用いられているのであって、このフルベストラントの組成と同一の組成の薬剤をヒトに筋肉内注射することが動機付けられるとはいえない。

https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/486/093486_hanrei.pdf

 

 

※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)

 
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