令和5年(ネ)10114【キューブコーナー素子を有する層状体および再帰反射シート】<中平>
=令和5(行ケ)10102
*数値限定の技術的意義が明細書に記載なし
⇒設計事項
(判旨抜粋)
本件明細書には、「素子は、好ましくは、1分~60分の角度の二面角誤差を有する。」…と記載されているが、好ましいとする根拠については何ら記載されていない。
一方で、本件明細書に記載された…全ての実施例において…0.1分、-0.5分、0.8分等の1分未満の二面角誤差の実施例が記載されており、これらについては、いずれもスポットパターンは均一に分布し、本件各発明の作用効果を奏するものとされている。上限値に関しても、上記のとおり構成要件1-C4、4C-1はこれを60分とするところ、実施例に示された二面角誤差の最大値は-19.8分であり…、上限値を60分とする根拠に係る記載もない。さらには、本件明細書に記載された実施例から、上記構成要件記載の数値範囲内のみからなるスポットパターンを抽出してこれを比較したとしても、スポットパターンが均一に分布するとの作用効果を奏することが示される実施例は存しない…。
そうすると、本件各発明の構成要件に記載された上記二面角誤差の数値範囲には、特段の技術的意義が認められないというほかなく、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎないものと認められる。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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