【論稿】平面的な絵柄に関する著作物性の判断:布団の絵柄事件控訴審(李遠杰、知的財産法政策学研究Vol.69(2024))
以下の3つの裁判例は、何れも、平面的な絵柄が付された実用品の著作物性を否定した。
・布団の絵柄事件(大阪高判令和4年(ネ)745)
・佐賀錦袋帯事件(京都地判昭和 60(ワ)1737)
・Chamois事件(大阪地判平成 27(ワ)9648)
※勝沼シャトー事件(知財高判平成25(ネ)10057)は、看板に描かれた絵の著作物性が否定された。
●第1類型:短い文字や簡単な幾何図形を組み合わせた単純な絵柄。~著作物性が否定される場合が多い。
●第2類型:実物を一定程度抽象化して描く要素が含まれた絵柄。~著作物性が認められる場合が多い。
●第3類型:実物の細部まで比較的詳しく描写する要素が含まれた絵柄。~著作物性が強く肯定される。
本論文は、これらの3類型に基づいて平面的な絵柄の著作物性を具体的に評価する枠組みを提示し、過去の裁判例との一貫性を比較した。
<以下、高石のコメント>
ただ…、例外も多く、類型分けの観点は引き続き研究が必要かもしれない。
その他、時計の原画事件(大阪地判令和3.6.24)では著作権が否定されており、実用向けに描かれた場合は著作物性が認められくいかもしれない。
他方、Tシャツイラスト事件2件(東京地判昭和56.4.20、東京地判令和5.9.29)は著作物性が肯定されている。
⇒Tシャツに印刷するという実用目的に制約されていないことが理由とされている。
⇒本件でも、最初から布団用でなく単なる絵画という建前で絵柄を作成し、(絵画として発表した後に、)それを布団の絵柄に使ったという建前であれば結論が変わったのではないか?(本件は、最初から布団の絵柄用に描画したという経緯があった。)
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/93511/1/69_06_Ri.pdf
【論稿】平面的な絵柄に関する著作物性の判断:布団の絵柄事件控訴審(李遠杰、知的財産法政策学研究Vol.69(2024))
以下の3つの裁判例は、何れも、平面的な絵柄が付された実用品の著作物性を否定した。
・布団の絵柄事件(大阪高判令和4年(ネ)745)
・佐賀錦袋帯事件(京都地判昭和 60(ワ)1737)
・Chamois事件(大阪地判平成 27(ワ)9648)
※勝沼シャトー事件(知財高判平成25(ネ)10057)は、看板に描かれた絵の著作物性が否定された。
●第1類型:短い文字や簡単な幾何図形を組み合わせた単純な絵柄。~著作物性が否定される場合が多い。
●第2類型:実物を一定程度抽象化して描く要素が含まれた絵柄。~著作物性が認められる場合が多い。
●第3類型:実物の細部まで比較的詳しく描写する要素が含まれた絵柄。~著作物性が強く肯定される。
本論文は、これらの3類型に基づいて平面的な絵柄の著作物性を具体的に評価する枠組みを提示し、過去の裁判例との一貫性を比較した。
<以下、高石のコメント>
ただ…、例外も多く、類型分けの観点は引き続き研究が必要かもしれない。
その他、時計の原画事件(大阪地判令和3.6.24)では著作権が否定されており、実用向けに描かれた場合は著作物性が認められくいかもしれない。
他方、Tシャツイラスト事件2件(東京地判昭和56.4.20、東京地判令和5.9.29)は著作物性が肯定されている。
⇒Tシャツに印刷するという実用目的に制約されていないことが理由とされている。
⇒本件でも、最初から布団用でなく単なる絵画という建前で絵柄を作成し、(絵画として発表した後に、)それを布団の絵柄に使ったという建前であれば結論が変わったのではないか?(本件は、最初から布団の絵柄用に描画したという経緯があった。)【論稿】平面的な絵柄に関する著作物性の判断:布団の絵柄事件控訴審(李遠杰、知的財産法政策学研究Vol.69(2024))
以下の3つの裁判例は、何れも、平面的な絵柄が付された実用品の著作物性を否定した。
・布団の絵柄事件(大阪高判令和4年(ネ)745)
・佐賀錦袋帯事件(京都地判昭和 60(ワ)1737)
・Chamois事件(大阪地判平成 27(ワ)9648)
※勝沼シャトー事件(知財高判平成25(ネ)10057)は、看板に描かれた絵の著作物性が否定された。
●第1類型:短い文字や簡単な幾何図形を組み合わせた単純な絵柄。~著作物性が否定される場合が多い。
●第2類型:実物を一定程度抽象化して描く要素が含まれた絵柄。~著作物性が認められる場合が多い。
●第3類型:実物の細部まで比較的詳しく描写する要素が含まれた絵柄。~著作物性が強く肯定される。
本論文は、これらの3類型に基づいて平面的な絵柄の著作物性を具体的に評価する枠組みを提示し、過去の裁判例との一貫性を比較した。
<以下、高石のコメント>
ただ…、例外も多く、類型分けの観点は引き続き研究が必要かもしれない。
その他、時計の原画事件(大阪地判令和3.6.24)では著作権が否定されており、実用向けに描かれた場合は著作物性が認められくいかもしれない。
他方、Tシャツイラスト事件2件(東京地判昭和56.4.20、東京地判令和5.9.29)は著作物性が肯定されている。
⇒Tシャツに印刷するという実用目的に制約されていないことが理由とされている。
⇒本件でも、最初から布団用でなく単なる絵画という建前で絵柄を作成し、(絵画として発表した後に、)それを布団の絵柄に使ったという建前であれば結論が変わったのではないか?(本件は、最初から布団の絵柄用に描画したという経緯があった。)
平面的な絵柄に関する著作物性の判断 : 布団の絵柄事件控訴審
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)