【商標】令和5年(行ケ)10131『hololive Indonesia』<宮坂>
※「hololive Indonesia」は、商標法4条1項16号違反。
「hololive Indonesia」の構成中、「hololive」は造語として自他商品・役務の識別力を有するが、「Indonesia」は東南アジアに存在するインドネシア共和国を表す語として我が国の需要者にも広く知られている。
そして、本願の指定商品や指定役務には、一般消費者が需要者となる化粧品や被服、飲食物の提供など多岐にわたり、インドネシアとは無関係のものが多数含まれている。そこで、本件商標をインドネシアで生産・販売されていない商品や、インドネシアと無関係な役務に用いた場合、「Indonesia」の文字部分から当該商品や役務がインドネシアで製造又は提供されると誤解されるおそれがある。
たとえ原告が本商標を「インドネシアを拠点とするバーチャルアイドルグループの名称」と主張し、ファンが誤認する可能性は小さいと述べても、指定商品・役務全般にわたる需要者は同グループのファンに限定されず、その多くは国名を表示した商標から商品の生産地や提供地を想起する。
なお、原告はインターネット上の登録者数等から商標の周知性を主張するが、動画等が海外向けに投稿されている実情や日本国内での周知度合いの裏付けには不十分である。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/867/092867_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)