【商標】令和5年(行ケ)10117『ベスリ会 東京TMSクリニック』事件<本多>
本願商標:「ベスリ会 東京TMSクリニック」
引用商標:「東京TMSクリニック」
※医療法人の名称である「ベスリ会」は、出所識別標識機能を有するが、「東京TMSクリニック」を要部抽出できる。
(判旨抜粋)
「TMS」の語から直ちに「経頭蓋磁気刺激」や、鬱病の治療方法としての「TMS治療」を想起するとは認められず、「東京TMSクリニック」の文字部分が一連となって、役務の提供主体である診療所の名称を表すものとして、出所識別標識としての機能を果たす…。…
「ベスリ会」の文字部分は、医療法人の名称を示すものとして、出所識別標識としての機能を有しないものではないが、医療法人の名称と医療機関の名称とが組み合わされて使用される場合の取引の実情に鑑みると、「東京TMSクリニック」との文字部分と組み合わせてなる本願商標全体の中にあっては、「ベスリ会」の文字部分の出所識別標識としての機能は相対的に弱いものになるといわざるを得ない。
そして、結合商標のうち複数の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じる場合であっても、…特定の部分が取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合等には、当該特定の部分を要部として抽出することが許されると解すべきであるから、「ベスリ会」の文字部分が出所識別標識としての機能を有するとしても、本願商標の構成中の「東京TMSクリニック」の文字部分を要部として抽出することは妨げられない…。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/948/092948_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
本件に関するお問い合わせ先:h_takaishi☆nakapat.gr.jp(☆を@に読み換えてください。)