【不競法】大阪高判令和6年(ネ)1775『Wam』事件
*マニュアルの返還請求のみが認められた。
⇒本訴訟の終了により、マニュアル等の返却義務も確定する関係にあるから、訴訟目的のために保管していることは返却義務を免れる理由になり得ない。
(判旨抜粋)
本件契約では、その終了の効果として、「被控訴人は、本件契約により貸与若しくは供与された機材、マニュアル、その他の資料、書類等の原本及びコピーについて直ちに控訴人に返却し、又は控 訴人の指示に基づき破棄する等の措置をとらなければならない。」との規定…が置かれているから、本件契約が…終了した以上、被控訴人は、現物が存在している本件マニュアル等の一部である物件1の複写物を控訴人に対して直ちに返却すべき義務を負うことになる。
この点、被控訴人は、物件1を訴訟目的のために保管しているとして上記規定に基づくマニュアル等の返却義務を争うが、判決の確定すなわち訴訟の終了により、上記規定に基づくマニュアル等の返却義務も確定する関係にあるから、訴訟目的のために保管していることは上記規定に基づく返却義務を免れる理由になり得ない。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/752/093752_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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