平成30年(行ケ)10043〔抗原結合分子事件〕<鶴岡裁判長>
★実施可能要件否定の根拠として、出願後の文献を参照OK
(判旨抜粋)
「本件出願後の文献であるが、甲45の複数のヒスチジン置換がされた抗C5抗体に関する記載…によれば,本件発明1に含まれる複数のヒスチジン置換がされた抗体のヒスチジン置換箇所には,①単独のヒスチジン置換によればKD(pH5.8)/KD(pH7.4)の値が置換前の抗体の値を下回る箇所や,②単独のヒスチジン置換によっては所定のpH依存的結合特性を有しない箇所が含まれる場合があることが推測される…。」
…
⇒広過ぎるクレーム~実施可能性×の部分を含む
(判旨抜粋)
「本件発明1の特許請求の範囲には,元の抗体及びヒスチジン置換又は挿入の位置や数についての限定がないから,本件発明1に係る医薬組成物に含まれる抗体についても,元の抗体及びヒスチジン置換又は挿入の位置や数は限定されない」
Cf.技術的思想を具体化した抗体を作ることができる程度の記載があれば,実施可能要件〇とした〔PCSK9に対する抗原結合タンパク質事件〕(アムジエンv.サノフィ)との対比で、要研究です!!https://www.facebook.com/hideki.takaishi.5/posts/3472795152743262
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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