平成23年(ネ)10002【餅】<飯村> <損害論>102条2項
認容額8億円
寄与度15%(85%覆滅)
<寄与度>
①本件発明の意義(焼餅の美観、膨化防止)
②被告製品の宣伝~「切り餅に施されたスリット」を表示して宣伝している
+侵害部分の価値,顧客吸引力,消費者の選択購入の動機
(判旨抜粋)<寄与度>
被告製品は,別紙被告製品図面(斜視図)のとおり,切り込み部13が対向二側面である側周表面12の長辺部に形成されており,本件発明と同様に,焼き上げるに際して切り込み部13の上側が下側に対して持ち上がり,最中やサンドウイッチのように上下の焼板状部の間に膨化した中身が挟まれた状態に膨化変形することで膨化による外部への噴き出しを抑制する構成を有する。
そして,被告は,被告製品について,①平成15年9月ころから「サトウの切り餅パリッとスリット」との名称で販売し,切餅の上下面及び側面に切り込みが入り,ふっくら焼けることを積極的に宣伝・広告において強調していること,②平成17年ころから,切り込みを入れた包装餅が消費者にも広く知られるようになり,売上増加の一因となるようになったこと,③平成22年度からは包装餅のほぼ全部を切り込み入りとしたことが認められ,これらを総合すると,切餅の立直側面である側周表面に切り込み部等を形成し,切り込みによりうまく焼けることが,消費者が被告製品(別紙物件目録1ないし5)を選択することに結びつき,売上げの増加に相当程度寄与していると解される(甲4,21~26,43,51,56の1~22,甲60~63,乙152,153,164~167)。
上記のとおり被告製品(別紙物件目録1ないし5)における侵害部分の価値ないし重要度,顧客吸引力,消費者の選択購入の動機等を考慮すると,被告が被告製品(別紙物件目録1ないし5)の販売によって得た利益において,本件特許が寄与した割合は15%と認めるのが相当である。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/175/082175_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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