令和4年(行ケ)10016【感圧転写式粘着テープ】<菅野>
「紙破現象を起こし得るように構成している」
⇒明確性〇(殆ど同義反復!?)
「『紙破現象を起こし得る』ように構成されているものと解する…。…発生割合や発生条件について…特定されていないとしても…第三者に不測の損害を被らせ…ない」
(判旨抜粋)
…本件明細書の記載及び図面を総合すると、本件発明1における「紙破現象」とは、粘着製品の粘着剤層を剥離させた際に紙類の表層が粘着剤に付着し、紙類が厚み方向に破断する現象をいうものであると理解することができる。そして、本件発明1の「紙破現象を起こし得るように構成している」との発明特定事項は、その他の構成要件を充足する「感圧転写式粘着テープ」のうち、「紙破現象を起こし得る」ように構成されているものと解することができ…る。そうすると、「紙破現象」の発生割合や発生条件について…特定されていないとしても、特許請求の範囲の記載が第三者に不測の損害を被らせるほど不明確な記載であるとはいえない。…「通常利用者が視認可能な状態」で紙が破れることという条件を付加して解釈する必要はない。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/549/091549_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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