令和3年(行ケ)10152【永久磁石の樹脂封止方法】<本多>
*課題解決に不可欠な構成を削除した分割
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「本件明細書…によると、従来技術の問題2を解決するために搬送トレイを不可欠の構成としている…これに代わる構成が当業者に…明らかである…証拠もない」
(判旨抜粋)
本件発明1には、回転子積層鉄心を搭載する搬送トレイを含む構成の発明だけでなく、この搬送トレイを含まない構成の発明も含まれており、搬送トレイを構成に含まない特許請求の範囲の記載を前提にした場合、…安価に作業ができる永久磁石の樹脂封止方法を提供するという本件発明1の課題を解決できると認識できる範囲のものとはいえない。…段落【0010】には…搬送トレイを不可欠の構成とはしていないことを前提とした発明の詳細な説明の記載があるが、…本件明細書の発明の詳細な説明の記載によると、従来技術の問題2を解決するために搬送トレイを不可欠の構成としているから、搬送トレイを用いずに本件発明の課題を解決するためには搬送トレイに代わる構成が必要となるものと解されるところ、本件明細書の記載によっても搬送トレイの具体的構造に関する記載…はあるものの搬送トレイに代わる構成を具体的に示唆する記載はなく、これに代わる構成が当業者にとって明らかであることを認めるに足りる証拠もないから、当業者が出願時の技術常識に照らしてみたとしても、発明の詳細な説明に具体的な記載がないまま、回転子積層鉄心を下型上に固定し、また下型から取り外す工程に係る課題を解決できると認識できる範囲のものであるともいえない。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/382/092382_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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