令和3年(行ケ)10129【…標的DNAを切断するための組成物】<菅野>
Cas9ポリペプチドへの核局在化シグナルの付加(相違点2)は、引用発明のCRISPR/Cas系を真核細胞へ適用しよう(相違点1)と試みると同時に当然導き出される
⇒『容易の容易』ではない!!(2段階ではない)
(判旨抜粋)
…核局在化シグナルはタンパク質を真核細胞の核内に移行させるための常套手段であるから、引用発明のCRISPR/Cas9系を 真核細胞に適用しようとすること、すなわち、Cas9ポリペプチドを真核細胞の核内に移行しようとするならば、真核細胞の核内に移行する手段を採用するのは至極当然のことであり、Cas9ポリペプチドへの核局在化シグナルの付加は、引用発明のCRISPR/Cas系を真核細胞へ適用しようと試みると同時に当然導き出されることである。そうすると、核局在化シグナルの付加は、真核細胞に適用されたCRISPR/Cas9系との構成を前提にしてこれに対して更に改変を加えるというものではなく、いわゆる「容易の容易」に当たるようなものではない。
https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/645/091645_hanrei.pdf
https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/3135
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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