【論稿/不競法】退職後におけるノウハウの使用を禁止する契約の有効性とその適用範囲(平澤卓人、知的財産法政策学研究Vol.31(2010))
大阪高判平成21年(ネ)1456~権利者逆転敗訴
⇒被控訴人技術のうち、控訴人らが使用している部分は、「既存の技術ないし眉に関する美容施術者ならば容易に取得ないし習得できる技術が相当範囲においてあり,被控訴人はその部分のみについては独占的権利を確保することはできない。」
同旨:東京地判平成18年(ワ)15404
「本件競業禁止合意は,原告の保有している営業上の秘密情報を用いることによって実施される業務に限ってこれを禁止する趣旨のものと解するのが相当であり,被告が原告就業中に得た,日常的で一般的な業務に関する知識,経験等を用いることによって実施される業務や,被告が本件契約以前から有していた知識,経験等を用いることによって実施される業務は,競業禁止義務の対象とはならない」
その他、多数の裁判例を紹介し、退職後の競業避止義務の限界を考察している。例えば、競業避止義務に基づく差止が認められる期間を2年間に限定した裁判例がある(東京地判平成18(ワ)22955『トータルサービス』事件)。
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/44347/1/IPLPJ31_009.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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