【特許侵害訴訟】控訴審の逆転充足⑥【4H型単結晶炭化珪素の製造方法事件】
平成26年(ネ)10082<高部>
①特許請求の範囲も、明細書も、限定なし
②限定されないことを明記する公知文献!!
⇒実施例に限定されない~逆転充足!!
原審・平成23年(ワ)23651<高野>
⇒実施例に他の方法記載無し~限定/非充足
(判旨抜粋【控訴審】)
(引用例3に基づく進歩性欠如)…できる限り基板の抵抗値が低いことが無駄な電力消費を抑える点で望ましいことは明らかであって,当業者であれば,基板の抵抗値を低くするためには,電流の担い手(キャリア)である電子を供出する窒素の濃度をできる限り高くすることを志向する。そうすると,引用発明3では,パワーデバイス用の基板として用いることが想定されている4H型単結晶炭化珪素について,窒素濃度が1×1020cm-3で,抵抗値が0.0028Ω-cmであるものが製造できたのであるから,特段の事情がない限り,敢えて窒素濃度を下げて抵抗値の大きな4H型単結晶炭化珪素を製造する動機付けはないというべきである。以上によれば,引用発明3において,窒素の導入量を1×1020cm-3から,これより低い5×1018cm-3以上5×1019cm-3以下とすることに動機付けがあるとは認められ…ない。
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※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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