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【特許】査証制度の創設と損害賠償額算定方法の見直し
-2019年特許法等改正

2020年03月31日

2019年改正特許法のポイントは、以下の2点です。

        1.査証制度の創設
        2.損害賠償額算定方法の見直し

なお、1については、実用新案法、意匠法及び商標法において同旨の改正は行われていませんが、2については、同旨の改正が行われています。

改正の背景
侵害の立証責任は特許権者にあります。しかし、文書提出命令や検証物提示命令等の既存の証拠調べの手段では、事実の解明が十分に行えないという問題がありました。例えば、ソフトウエア特許の場合、文書提出命令により、被疑侵害者からオブジェクトコードを提出させることができたとしても、そもそも、提出されたオブジェクトコードが侵害品に相当するか容易に判断できません。製法特許の場合、検証物提示命令により製造装置や製品を調べたとしても、検証物から侵害に成否を判断することは容易ではありません。そこで、今回の改正により、新たな証拠収集制度として、特許権者が実効的な証拠収集を行えるようにする査証制度が創設されました。

仮に侵害の成立が認められても、十分な損害賠償額が得られないという問題もありました。というのは、現行法では、損害賠償額は、特許権者の製造販売能力の範囲でしか認められないからです。例えば、事業規模の小さい企業やスタートアップ企業は、自社の製造販売能力が侵害者の製造販売能力より劣る場合、侵害者が莫大な利益を得ていたとしても、その利益を丸々損害賠償として請求することはできません。そこで、今回の改正により、自社の製造販売能力を超える額を請求できるよう、損害賠償額の算定方法が見直されました。

査証制度の創設
(1)査証制度とは
「査証制度」は、侵害訴訟の原告(特許権者)の申立てにより、一定要件下で、営業秘密等の保護に十分に配慮しつつ、裁判所が中立公正な専門家に対し、相手方の工場等において調査し、証拠を収集して報告書を作成する旨の命令をすることができる制度です。特許権者や査証を受けた相手方は、裁判所に開示を求めれば、開示しないとされた部分を除き、報告書を見たり、コピーをもらったりすることができます。

(2)いつ利用できる?
 査証制度を利用するには、特許権者は、侵害訴訟を提起した後に裁判所に対して申立てをする必要があります。訴訟提起前はできません。
 実務的には、ある程度争点が整理された段階で申立てることになると思われます。

(3)どのような場合に査証が実施される?
 申立てをしても、直ちに査証が行われるわけではありません。裁判所に査証を実施してもらうには、以下の4条件をすべて満たす必要があります。なお、①~③の主張立証責任は特許権者にあり、④の主張立証責任は侵害者にあります。
    ➀侵害行為の立証に必要であること
    ➁被告による権利侵害の蓋然性が認められること
    ➂他の手段では、立証されるべき事実の有無を判断できる程度に証拠を収集できないこと
    ➃証拠の収集に要すべき時間又は被告の負担が不相当なものになる等、その収集を行うことが不相当でないこと
 厳格な要件が決められているのは、権利濫用防止のためと思われます。
 実務的には、裁判所は、要件を満たすか否か判断した後、直ちに査証命令を出すのではなく、弁論準備手続き等の期日において両当事者から意見を聞くなどした後に、査証命令を出すことになると思われます。

(4)どのような場合に利用するのがよい?
 製品の改変が容易な場合や、製造装置や製品から侵害の立証が困難な場合、侵害の証拠が相手方企業に集中して存在している場合に有効であると思われます。具体例は以下のとおりです。
    ・ソフトウエア
    ・製法や製造条件
    ・BtoBの製品

損害賠償額算定方法の見直し
(1)改正のポイント
 自社の製造販売能力を超える損害額を請求することができます。

(2)損害賠償額の算定方法
<これまで>
損害額=「譲渡数量」×「特許権者の製品の単位数量あたりの利益額」-「特許権者の実施能力を超える部分」

<改正後>
損害額=「譲渡数量」×「特許権者の製品の単位数量あたりの利益額」-「特許権者の実施能力を超える部分」+「能力を超えた部分についてのライセンス料相当額」

改正により、「ライセンス料相当額」は、訴訟当事者間の具体的事情を考慮して算定することができることが明確になりました。すなわち、実施前にライセンス交渉した場合のライセンス料よりも、侵害があったことを前提とするライセンス料を高額にできます。これまでは、その業界の平均ライセンス料率等を参考にして「ライセンス料相当額」が認定されていましたが、今後は、より高額なライセンス料相当額を算定できるようになります。

以上

 
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