【契約】令和6年(ネ)10058【水車を利用した青ノリの採苗技術の開発】<清水響>
1.共同研究契約違反(研究成果の無断公表)の有無
青ノリについて水車採苗を行うという着想自体は、本件共同研究以前の平成10年当時から存在していた。
本件共同研究の目的は採苗の具体的条件の解明等にあったところ、本件公表行為は単に「水車式採苗装置による付着が可能である」ことを示したにすぎず、具体的な技術内容(好適な状況や条件等)を明らかにするものではない。
着想自体は共同研究の前提であって成果ではなく、本件公表行為は「研究成果」の公表には当たらないため、契約違反は認められない。
2.特許取得妨害の有無
青ノリの水車採苗という着想自体が周知であった以上、単に「可能になった」とするだけでは特許は付与されず、本件公表行為の有無にかかわらず、特許取得のためには具体的技術内容の開示が必要であった。
したがって、本件公表行為が特許審査過程で引用されたとしても、それが原告の特許取得を妨害したとは認められず、債務不履行とはならない。
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-93787.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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