令和7年(ネ)10042号【締結金物】<清水響>
*効果のクレームアップ(「ヒビ割れの成長によって生ずる破壊を遅くさせ、且つ短期許容耐力を向上させるため」)が、発明の構成を限定する意味を持たないとされた。
+原告らが主張する比較対象(除外構成)は明細書に記載がない。
(判旨抜粋)
「短期許容耐力を向上させるため」との部分についても、本件明細書において、本件発明の作用・効果として記載されているものであって、本件明細書には、上記の作用・効果を得るために必要な構成として、「枝状部の構成」以上の構成は開示されていない…から、「枝状部の構成」により果たそうとする作用・効果を示すものにすぎず、発明の構成を限定する意味を持たない。仮に、現実に短期許容耐力を向上させるには、「枝状部の構成」のほかに原告らが主張する具体的な設計(条件)が必要となるとしても、「短期許容耐力を向上させるため」との文言をもって、「枝状部の構成」以外の具体的な設計(条件)を特定するものと認めることはできない。
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-94631.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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