【商標】令和6年(行ケ)10061「CONART」事件<本多>
*商標の共有に注意!!
本件商標が、原告(ラッフルズ・グローバル)と日本ラッフルズとの共有であった。
審決は、通常実施権者とのライセンス契約は、日本ラッフルズのみであり、共有者の同意があるとは認められないとした。
本判決は、原告(ラッフルズ・グローバル)が日本ラッフルズに管理委託していることが認定され、社会通念上同一である本件商標Cについては、取り消されなかった。
(判旨抜粋)
ラッフルズとエースタイル社との間のライセンス契約において、原告は当事者とはなっていないものの、同契約においては、原告が日本において有する商標権の管理をラッフルズに委託し、委託に基づき契約する旨が明示されている。これに加え、原告代表者 の陳述書等によると、ライセンス契約の締結は、原告の同意を得た上で、ラッフルズの代表者だけで行われてきたと述べられており、その内容に特段不自然なところはない。また、上記ライセンス契約に係るロイヤリティーと認められる金額の50%が未払金として、決算書に計上された上で、原告宛てに海外送金されていることが認められる。
以上によると、原告は、ラッフルズがエースタイル社との間で前記ライセンス契約を締結した際、同ライセンスの供与につき、原告もこれを許諾していたものと認められ、ラッフルズは、本件各商標に係る商標権の共有者である原告の同意を得て(商標法35 条、特許法73条3項)、エースタイル社に対し通常使用権の許諾をしていたものと優に認められる。
https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/881/093881_hanrei.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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