平成6年(行ケ)243【仏壇】<竹田稔>
*同日出願(39条2項)は、一方の側からみた場合に他方の発明と同一であるというだけでは足りず、同時に、他方の発明の側からみても、一方の側の発明と同一であるとみなされる関係にあることを要する!!
(審査基準と同じ。)
(判旨抜粋)
…特許法39条2項において、同日の出願に係る2以上の発明については、特許出願人間の協議が成立しなければ、一方のみならず、そのいずれについても特許を受けることができないとされている趣旨に鑑みるならば、同項における「同一の発明」とは、同日の出願に係る2以上の発明の一方の側からみた場合に、他方の発明と同一であるというだけでは足りず、同時に、他方の発明の側からみても、一方の側の発明と同一であるとみなされる関係にあることを要するものと解すべきである。
そして、同願発明のbの要件については、…「揺動腕」が実際に果たす機能の面からみて、本件発明のDの要件の下位概念に相当するものであるとしても、仏壇の扉体の折曲げ、収納手段を、その構造面から本件明細書に具体的に開示されていない「揺動腕」として特定したものであり、それにより…仏壇の扉体の開閉、収納手段を簡単に構成することができ、その組立性、作業性を向上させるという、本件発明…にはない作用効果を奏するものであることが明らかである…。
そうすると、同願発明のbの要件は、…本件発明とは別個の作用効果を生じさせる構成を含むものである以上、同願発明から本件発明をみた場合においては、bの要件は、本件発明の要件から把握することができないものといわざるをえず、bの要件は、本件発明のDの要件に一致するものとはいえないというべきである。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/03_0400bm.pdf
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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