【論稿/著作権】ツイートの書籍への掲載が著作権法32条1項の適法な引用とされた例-#KuToo事件-(平澤卓人、知的財産法政策学研究Vol.66(2022))
*東京地判令和2年(ワ)19351
本件ツイートにおける『#KuToo』 との表記が『#kutoo』と表記されているが、誤記であり、引用該当性は否定されず、同一性保持権侵害もない。
「『へんてこりんな人』、『Twitterになると急にバグる』などの表現が原告の名誉感情を侵害するものに当たるとしても、これらの記載の趣旨は、本件活動が女性の靴問題にあるにもかかわらず、本件ツイートが海水パンツで男性が出勤するという女性の靴問題とはかけ離れた極端な状況を例として本件活動を批判していることについて、『逆に』という表現の使い方も含め、その趣旨が通常人の感覚や認識と乖離しており、その発想が理解し難いという点にある」
⇒ 「原告の名誉感情を侵害する部分があると しても、これらの表現が社会通念上許される限度を超える侮辱行為に該当 するということはできない。」(不法行為不成立)
『引用』の判断枠組みについて、多数の裁判例を考察している。
更に、「主従関係」「公正な慣行に合致するか」「引用の目的が正当な範囲内か」にブレイクダウンして、判断枠組みを考察している。
※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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