【特許侵害訴訟】控訴審の逆転充足⑫【レーザーによつて材料を加工する装置事件】
平成24年(ネ)10023<飯村>
※クレーム文言解釈は、原審と同じ。
⇒事実認定が変更された。
⇒逆転充足(「流速が十分に高く」というクレーム文言の充足性を認めた。⇒作用効果を奏することを重視した。)
原審・平成20年(ワ)12409<大鷹>
損傷がない結果と「せき止め空間のない」構成との因果関係が否定された
⇒非充足
(判旨抜粋)
構成要件エの「せき止め空間のない」とは,液体が静止するために,透過するレーザービームにより温度が上昇し,これによって発生した熱レンズによってレーザービームの焦点がずれ,ノズル壁の損傷を引き起こす空間がないことを意味する。また,構成要件オの「液体の流速が,十分に高く」とは,上記「せき止め空間のない」との構成を採用することによって,「フォーカス円錐先端範囲において,レーザービームの一部がノズル壁を損傷しないところまで,熱レンズの形成が抑圧される」程度に流速が高いことを意味する。…被告製品は,「ノズル入口開口(30)の周りにおいてせき止め空間のないように導かれ(る)」(…)との構成が採用され,そのことによって「フォーカス円錐先端範囲において,レーザービームの一部がノズル壁を損傷しないところまで,熱レンズの形成が抑圧される」程度(…)に「流速が,十分に高く」(…)したとの構成が採用されていると解するのが自然である。
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※本稿の内容は,一般的な情報を提供するものであり,法律上の助言を含みません。
執筆:弁護士・弁理士 高石秀樹(第二東京弁護士会)
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